エニモンネーム : ゴート
エニモンの種族 : モノノケ
エニモンの容姿 : 男性的
エニモンの年齢 : 40代~
好きな世界 : アヤカシワールド
好きな景色 : 青空
好きなテイスト : 漫画 (日本)
好きな色 : #0470ff
好きな動物 : オオワシ
好きな年代 : 2020年代
ゴートは誇り高きモノノケの戦士。オオワシを象徴とし、空高く舞う自由と勇気を尊重。幼少期に妖術の奥深さに魅せられ、神秘的な世界への探究心が強い。妖魔と協力しながら、自然と調和した未来を夢見ている。
自分が一番
遠い空の彼方、幾千の風とともに舞うオオワシのごとく、ゴートは誇り高きモノノケの戦士であった。その姿は鋭い眼光と鋼のような意志を秘め、自然と調和しつつも絶対的な支配を志す力強さに溢れていた。幼き頃から妖術の奥深さに惹かれ、神秘の扉を叩き続けた彼は、やがてその才能を開花させ、伝説的戦士の道を歩んでいた。
家柄も、出自も、経歴も誰にも負けないと誇り、彼は自分をこの世界の頂点に置いていた。誰も彼を越えられぬと信じ、言動すべてが正義であると豪語していた。そのため、反論や異論は無知と見なしてきた。彼にとって、自分こそが最も正しい秩序の守護者だと確信していた。
しかし、その皮肉な運命は、彼の傲慢さが最も脆弱な糸を引きちぎる瞬間を待っていた。 ある日、国に危機が訪れる。広大な平野をつつむ闇の気配、人々の暮らしを脅かす災厄が降りかかる。度重なる出費により、国家の財政は悪化し、民衆の不満は爆発寸前に達していた。飢えと恐怖に囚われた民は、あらゆる不条理をゴートに向けて叫んだ。
しかし、彼はまだその深刻さに気付いていなかった。高みから眺めることができる彼は、ただ騒々しい反逆者たちの声を無視していた。だが、その静寂の中に潜む怒りの焔は次第に激しく燃え上がる。 そして、その怒りは爆発した。
民衆の前に現れたゴート。彼は、誇りとともに高らかに宣言した。 「我が名はゴート。天地をも従える最強の戦士。お前たちが何と叫ぼうと、私の正義は変わらぬ。お前たちの愚かさを戒め、秩序を守るために私は存在するのだ!」 しかし、その日彼の前に立ちはだかったのは、ただの反抗者たちではなかった。彼の従者たちも含め、多くの人間や妖魔たちが、かつて彼とともに戦った者たちだった。彼らは、次第に彼に対して声を荒げ始めた。
「ゴート様、私たちも一つの命です。あなたの傲慢さが我々を苦しめていることを理解してください」 そんな彼らの声に、ゴートの胸は一瞬揺れた。だが、すぐに自己弁護の言葉が彼の口をついた。 「私が道を誤るはずがない。力と知恵の持ち主こそ、未来を切り拓くのだ!」
だが、その傲慢さが、次第に彼の心を蝕み始めていた。 民衆の怒りは、ついに制御不能となる。騒乱の渦中、ゴートは最も信頼していた側近の一人に裏切られる。矜持も、誇りも、すべて粉みじんに砕かれた。 倒れゆくゴートの前に、側近はこう告げた。 「あなたの力は尊い。しかし、その力に溺れたあなたは、もはや自己の誤りを見究めることができなくなった。あなたは、正義を曲げ、他者を傷つけ続けたのです」
その瞬間、ゴートははじめて自分が何を失ったのかに気付く。自分が最も信じていたものの全てが、実は自らを破滅へと導いていたことに。彼の心には、災厄の中でひとつの真実が刺さった。 「私は、自分が一番だと思い込んでいた。しかし、今、私は何も持たず、すべてを失った」
彼は絶望の縁を這いながら空を見上げた。そこには、かつての誇り高きオオワシの姿が瞬いていた。自由と勇気を象徴する彼の夢は、すべて幻に過ぎなかったのか。最後に、彼は自らの傲慢さを悔やみながら、静かに息を引き取った。彼の死は、彼が残した痛みとともに、未来の教訓として語り継がれるだろう。
天高く舞い上がるはずだったオオワシは、今やその翼を畳み、静かに闇に消えた。自分が一番などという幻想に溺れた代償は、あまりにも重かった。そう、ゴートは一時の栄光と強欲の果てに、最も大切なものを失い、孤独の中で静かに終わりを迎えたのである。