エニモンネーム : キル
エニモンの種族 : モノノケ
エニモンの容姿 : 中性的
エニモンの年齢 : 20代~
好きな世界 : デジタルワールド
好きな景色 : 海辺
好きなテイスト : 和風
好きな色 : #ffd17a
好きな動物 : 猫(スコティッシュフォールド)
好きな年代 : 2010年代
キルは電子と妖魔の融合に魅せられ、技術と自然の調和を目指す革新的思想を持つ。猫好きゆえに柔らかさと優雅さを重視し、人と妖魔、 Elektronic ワールドの調和を夢見る。純粋な好奇心と平和への願いが、彼の人生の礎である。
タイトル:真面目
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木漏れ日の差す静かな森の中、キルはそっと立ち止まった。中性的な顔立ちと、柔らかな目の奥に宿る鋭さ。その眼差しは、古代の秘密を見通すように鋭く光っていた。彼は、電子と妖魔が融合した世界で、調和を求める革新的思想を持つ考古学者兼平和の使者だった。
この日も彼は、古代文明の研究を続けていた。人と妖魔が共存する電子の世界、エレクトロニックワールドにおいて、歴史の片隅に埋もれた貴重な知識を集めることが使命だ。彼の趣味は、猫と戯れること。柔らかい毛並みと優雅な動きに癒されながらも、心の奥底にはいつも、世界の平和を願う熱い思いが燃えていた。
最近の偶然から、キルは古代の疫病に関する調査を進めていた。数千年前、世界規模でパンデミックが拡がった歴史をたどる中で、彼はある不思議な事実に気づく。疫病感染率の低い地域と高い地域の差異だ。彼は一つの共通点を見出した――それは、「手洗いうがい」を真面目に行っていたことだった。

彼の研究は、単なる古代の風習を比較しただけではなかった。現代の危機の兆しを感じ取ったからだ。疫病の感染を抑えた要因はなんなのか。医療技術だけではなく、民衆の意識と行動の違いに、その答えがあるのではないか、と彼は考えた。
ある日、彼は決意した。自分の知見を生かし、世界を守るために行動に移すのだと。
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その夜、彼は電子の世界と妖魔の森との間に織りなす交流エリアに入り、仲間たちと会合を持った。彼の夢は、自然と技術、人と妖魔の調和を実現し、未来のパンデミックを防ぐことだった。
「みんな、ちょっと真面目な話なんだけど」キルはそう切り出した。
「疫病の調査で、地域によって感染確率に違いがあることに気づいた。どうやら、手洗いうがいをきちんと守っていた地域では、感染が抑えられていたんだ。これは、予防において大事なポイントになると思う。」
仲間たちは一斉に目を丸くした。妖魔の中には、風習や文化を重視する者もいれば、技術的に先進的な志向もあった。しかし、共通しているのは、「真面目さ」だった。
「だから、我々にできることは、今日から始めることだ。手洗い、うがい。基本的なことだけど、それだけで未来が変わるかもしれない」と彼は静かに語った。
その翌日、キルは町の人々や妖魔たちに向けて、予防啓発を呼びかけるキャンペーンを始めた。街角に設置された祭壇には、「真面目」模様の紙札とともに、可愛らしい猫の飾りが飾られた。
キャンペーンは徐々に評判となり、他の地域にも広がっていった。人々は、真面目に行動することの大切さを、改めて実感し始める。
しかし、平和な日常は長くは続かなかった。それは突如、世界の平和を揺るがす危機、巨大なエラーが電子のシステムに侵入したときだった。世界中の交流網と制御システムが危険に晒されたのだ。
「これは、破滅の前兆かもしれない」とキルは直感した。彼はすぐさま調査を開始し、仲間たちと共に原因究明と対策に動いた。
そのとき、彼の耳にひらめきが閃く。疫病の兆しと似ている。システムの異常は、もしかすると、自然な感染のように、何かが引き金になっているのではないか。そう思った彼は、電子と妖魔の融合した調和の中に答えを見出すため、古代の風習からヒントを得ることにした。
彼は、古代民族が疫病予防のために用いた「清めの儀式」を再現しようと試みた。その中に、「真面目さと節度」が大きな役割を果たすと気づいたのだ。要は、日々の心がけと、基本に忠実な行動が、今こそ必要だったのだ。

彼は仲間と共に、電子と妖魔の調和のエネルギーを用いたシステムの呼吸調整や、「清め」の儀式を取り入れて、システムの安定化に成功した。世界の危機は回避され、夜空に輝く星のようにニュースが広がる。
人々は、彼の活動を通じて、「真面目さ」が持つ力を学び取った。
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あの日々の真面目さと、ちょっとした努力が、未来の破滅を防ぐのだということを、キルは静かに、しかし確信を持って、見守り続けるのだった。
その瞳は、いつまでも希望に満ちていた。
END