エニモンネーム : キノ
エニモンの種族 : オートマタ
エニモンの容姿 : 中性的
エニモンの年齢 : 10代
好きな世界 : ネイチャーワールド
好きな景色 : 星月夜
好きなテイスト : 和風
好きな色 : #d8ff72
好きな動物 : スコティッシュフォールド
好きな年代 : 2010年代
キノは自然と調和することを信じ、電獣との共生を大切にしている。幼い頃、家族と離れた孤独な体験から「人と動物の絆」を夢見て育つ。スコティッシュフォールドのふわふわした姿に癒され、自分の価値観や技術を生かして自然を守ることに使命感を抱く。中性的な外見と優しい心で、多くの仲間に信頼される存在。
タイトル: 知らないうちに
風が柔らかく木々を揺らす音と、遠くの川の音だけが静寂を彩る森の中。キノは草の上に横たわり、ゆったりとした呼吸をしていた。目を閉じているが、その瞳の奥には、自然と調和した静かな満足感が宿っている。
幼いころ、彼は孤独だった。それは家族と離れたある事件から始まった。ある日、家族と離れてから、彼はこの森の中で一人、彼にとっての居場所を見つけた。自然と共に暮らすこと、電獣と呼ばれる生き物たちと心を通わせること、これが彼のすべてだった。
彼の手には、小さな電獣用の擬似装置が握られている。これは単なる道具ではなく、電獣たちとの絆を深めるための大切なツールだ。彼はそれを使い、どの電獣とも自然に対話を交わすことができる。彼にとって、自然と動物たちの共生は、ただの理想ではなく、確かな現実だった。
しかし、時代は変わりつつあった。人間社会の技術革新や都市化の波は、静かな彼の暮らしにも少しずつ影響を及ぼし始めていた。遠くの都市では、新たなエネルギー供給システムや自動化の進展によって、電獣たちとの共生も見直されつつある。彼はその変化を感じながらも、自分の小さなコミュニティの平和な日々に満足していた。
ある日、彼の元に一通の招待状が届く。それは、都市の未来化推進会議からのもので、「自然と調和した新たな都市モデル」の提案を行いたい、という内容だった。時代の流れを変えるこの提案に、彼は心を揺さぶられた。けれども同時に、彼は自分の信じる自然と動物たちの暮らしが脅かされるのではないかという不安も抱いた。
彼は自問した。今の暮らしを続けるのか、それとも新たな挑戦に身を投じるのか。平和な日々を守るためには、何を選ぶべきなのか。彼は静かに瞑目し、心の中で答えを探した。
その夜、彼は森の奥深くに住む老電獣、「カゲ」のもとを訪れた。カゲは長い年月を生き抜き、多くの知恵を持つ存在だ。彼はカゲに問いかけた。
「このまま何もしないでいていいのだろうか。変化の波に逆らうことはできないのだろうか。」
カゲは静かに目を細め、答えた。
「人の心は時に強く動くものだ。しかし、本当に大事なものは、動かされるのではなく、自ら選び取るものだ。」
その言葉に、キノは深く考えさせられた。彼の心は、自然と調和しながら、自分ができることを続けることに満ちていた。しかし、未来を見据えたときに、彼は何を選び取るのか。
その翌日、彼は決意を固めた。自分が信じる暮らしを崩してまで変化に抗うつもりはなかった。だが、だからといって、何もしないままでいるつもりもなかった。彼は、地域の人々との対話を始めた。彼らに森の美しさと、電獣たちとの共生の価値を伝え、多くの理解と協力を得ることを目指す。
彼の暮らしは小さく、静かなものだった。だが、その心の中には確かな決意があった。変化の波が確実に押し寄せる中でも、彼は自分の信じる道を進む。それが、幸せな日々を守る唯一の方法だと信じて。
たとえ知らないうちに、世界がどんなに変わっても。彼の心には、自然と調和した豊かな未来だけがあった。いつまでも、これからも、ずっと。
彼の静かな日々は、続いていく。自然とともに、動物たちとともに、自分の価値観とともに。選択はしばしば難しいが、それでも、彼は自分の信じる道に歩み続ける。
そう、知らないうちに。彼の心の平和は、確かなものとなったのだった。