エニモンネーム : 雫
エニモンの種族 : フェアリー
エニモンの容姿 : 中性的
エニモンの年齢 : 10代
好きな世界 : ファンタジーワールド
好きな景色 : 星月夜
好きなテイスト : カートゥーン
好きな色 : #fffc2a
好きな動物 : うさぎ
好きな年代 : 2020年代
雫は自然と調和し、動物や植物を守ることに強い使命感を抱くフェアリー。幼少期に魔獣と共に暮らす中で、共感と信頼を学び、平和な共存を願う。内心は中性的で柔らかいが、芯の強さと優しさを持ち、うさぎへの深い愛情を通じて、無邪気さと純粋さを大切にしている。
タイトル:「夢の中で」
雫はいつも平凡な日々を過ごしていた。町の図書館で働き、放課後は猫と戯れ、夕暮れ時には静かに空を眺める。何の変哲もない、どこにでもあるような暮らし。それが彼女にとっての幸せだった。中性的な顔立ちと柔らかい瞳を持ち、内心では平和と調和を願いながらも、その実、日々の暮らしの平凡さに少しだけ物足りなさを感じていた。
ある夜、夢を見た。白い砂浜に立ち、海風に髪を揺らしながら、誰かと一緒に座っている。髪の色は澄んだブルー、その瞳は星のように輝き、微笑む彼はとても綺麗だった。彼女はその夢の中で、海の向こうの世界を見つめながら、穏やかな時を過ごしていた。夢の中の時は、誰にも邪魔されず、ただ彼といることだけに集中できた。
しかし、目を覚ますと、いつもどおりの静かな朝が待っていた。夢と現実の境界は曖昧で、何度も夢の続きを見ているような気がした。だけど、それはただの幻想だと思い込んでいたのに。
数日後、雫は街角のカフェで偶然、あの日の夢で見たあの人と同じ姿の人と出会った。長い銀髪と淡いブルーの瞳、穏やかに微笑むその人は、まるで夢の続きのようだった。彼は優しく話しかけ、自己紹介をした。名前はアレックス。遠くの国から来た、アーティストだという。
二人は話しながら、次第に距離を縮めていった。アレックスの言葉は夢で見たイメージとぴったり重なり、雫は戸惑いながらも、心の奥底に新しい感情が流れ込むのを感じた。そして、アレックスはにっこりと、「一緒に海外に行こう」と提案した。どこか非現実的なその言葉に、最初は躊躇ったが、自然と湧き上がる好奇心と、夢の続きを追いかけるような気持ちに動かされ、彼女は決心した。
空港に降り立ったとき、雫は自分の心が高鳴るのを感じた。長い旅の始まりを前に、少しだけ自分の足が震える。しかし、アレックスが隣にいてくれることで、安心感もあった。手続きを進めながら、ふと鏡を見ると、きちんとアレックスと自分が映っていた。夢じゃない。そう確信した。
その瞬間、空港のラウンジで見つめる鏡の前の自分と、夢の中の風景が重なる。まるで、夢と現実の線が曖昧になり、融合していく感覚に包まれた。これから起こる奇跡を、どう受け止めていいのかわからないまま、彼女は未来へと歩き出していた。
旅路は長く、時に嵐もあった。言葉の壁、文化の違い、遠く離れた場所での孤独。それでも、アレックスと過ごす時間は、まるで夢の続きのように柔らかだった。やがて、彼女は気づいた。夢の中で見た海辺の景色が、現実の中で少しずつ形になりつつあることを。
ある夕暮れ、アレックスとともに海辺へ出ると、雫は目を閉じて、あの夢のことを思い出した。目の前の青い海と風が、すべてを包み込み、彼女の心に澄み渡る感覚をもたらした。夢と現実は、もはや区別できない境地に達していた。
やがて、日本に帰国したとき、彼女は空港の鏡の前に立った。そこには、何も変わらぬ自分が映っていた。そして、アレックスはいなくなっていた。でも、心の奥には確かな何かが生まれていた。夢の続き、現実の始まりを感じながら、雫は静かに微笑んだ。
もしかすると、すべては夢かもしれない。だけど、たとえ夢であったとしても、その中にあった真実は、きっと彼女の中に生き続ける。それは、優しい海の風と共に、誰かと出会い、愛おしい一日を過ごした記憶だった。
次に目覚めるとき、彼女の中で何かが変わっている気がした。夢と現実の狭間を漂いながら、雫は歩き始める。これからも、きっと夢と共に生きていくのだろう。あの日の海辺の人と、淡いブルーの瞳を胸に抱きながら。
そして、彼女は静かに願った。いつかまた、あの夢の続きを見られる日が来ますように、と。