エニモンネーム : ルート
エニモンの種族 : アンドロイド
エニモンの容姿 : 中性的
エニモンの年齢 : 10代
好きな世界 : ファンタジーワールド
好きな景色 : 砂浜
好きなテイスト : 漫画 (日本)
好きな色 : #6bfffd
好きな動物 : ネコ
好きな年代 : 2020年代
ルートは技術と自然の調和を理想とし、種族の多様性を受け入れる心優しい少年。幼少期に工房で育ち、機械と魔法の融合を夢見てきた。ネコの独立性と柔軟さに憧れ、自由な生き方を求める。自分の存在意義を模索しつつ、世界をより良くできる魔法と技術の未来を追い求めている。
タイトル:遭難
夕陽が海面を金色に染める中、豪華客船は優雅に漂っていた。ルートは窓の外を眺めながら、心の中で誇らしげに思った。「僕は選ばれし者だ。世界をより良くするための力を持っている」と。しかし、その自信は、小さく揺れ始めていた。
旅の途中、家族とともに華やかな宴を楽しんでいたルートは、幼い頃に育った工房のことを思い出していた。そこで夢見た機械と魔法の融合。自然と技術の調和を願った、純粋な夢。その夢に向かって、彼はこれまでの人生を切り拓いてきた。しかし、今この瞬間、彼の胸には不安もあった。何かが違うと感じていた。
突然、海上に暗雲が立ちこめ、空が閃光に包まれる。その直後、巨大な波が船を揺らし、船長の叫び声が霧の中を震わせる。「嵐だ!すぐに避難せよ!」
船は激しく揺れ、悲鳴と叫び声が満ちてゆく。ルートは必死に家族を守ろうと動き回ったが、願いもむなしくばらばらに引き離されていく。その時、彼の目には崩れ落ちる船体の狂乱と、それに巻き込まれる者たちが映し出だされていた。そして、優雅な遊覧の旅は、突然の暴風と巨大な波によって一変してしまった。
気が付けば、どこかわからぬ小さな島に漂着していた。暗い空と波の音だけが響く、絶望の淵に立たされた世界。目の前に打ち上げられたのは、使い古された木片と破損した荷物だけだった。何もかもが無情に流れ、時間さえ止まった気がした。意識がぼやける中、ルートはふと横たわる一人の女の姿に目が留まる。
彼女は船内で下働きをしていたものの一人だった。優雅ではないが静かな威厳を持つ女中であった。彼女も波に飲み込まれ、すでに生命の気配が薄らいできている。ルートは急いで彼女の横に駆け寄り、そっと手を口にあてた。ひっそりとだが、息遣いを手に取ることができた。女中は、生きていた。「おい、聞こえるか?しっかりしてくれ!」
その女はかすれた声で答えた。「ルート様…無事でよかった……私たちは…いったい…」
辺りを見渡すと、近くに運良く旅行鞄が転がっているのを見つけた。鞄には何日か持ちそうな食料と身分証明書が入っていた。取り出すと、そこには女中の名前も記されている。名まえをエリザ、そしてその鞄は紛れもなくエリザのものであった。ルートは、ふと自分の優位性を思い出す。
「これで。助かる……」とつぶやき、二人は慎重に会話を続けた。結局、鞄の中の食料は少なく、数日の生存をやりくりしなければならないことに気付く。ルートはすぐに、「これを分け合うべきだ」と心の中で決めたが、その心の奥底には、ふつふつと湧き上がるほの暗い気持ちも感じ取れた。
しかし、エリザは静かに言った。「私たち、協力し合わなければ、生き残れない。私たちが力を合わせないと……」
この言葉に、ルートは心が揺れ動く。彼は幼い頃から自分は、「選ばれし者」だと信じ、すべては自分の力次第だと思っていた。だがそれは、生まれた幸運への甘えだったのかもしれない、と。
そんな彼の決断は明白だった。それは、エリザの話に耳を傾け、助け合いながら生き残ることだった。優越感や特権に固執せず、共に困難を乗り越えることこそが真の意味の「選ばれる」ことだと気付いたのだ。
その日々は長く厳しかった。その島は小さいが時に波は高く、時に静まり、冷たい雨も降った。だが遭難の日々がたつにつれて、二人の絆は深まっていった。ルートは、その暮らしの中で、エリザの言葉や行動に触れ、謙虚であることの大切さをしった。それは、相手の話に耳を傾け、物事を理解することの大切さを知ることでもあった。
ある日、ルートはふと空を見上げた。夜空に星がきらめき、静寂が訪れる中、ふと思った。「本当に大切なことは何だろうか?」
彼は静かに反省し、心に決めた。「世の中は無情だと知った。でも、自分が守るべきものは、思いやりと優しさだ」と。
最後に、彼はエリザに感謝を伝えた。多くの過ちと誤解の末、彼はやっと気付いた。何よりも大切なものは人と人との思いやりだということを。
ルートとエリザは毎晩、希望をこめて薪を燃やした。遠くの空へ登っていくか細い煙が、きっと誰かに届きますようにと。そして、ついにその時が来た。救援のために飛行艇がやってきたのである。ルートとエリザの願いは叶ったのだった。
危機を乗り越えた後、二人は故郷へ帰ることを決意した。ルートの心は、過去と未来の狭間で、静かに変わっていた。ルートは自然や人々に対する敬意と感謝を胸に、新しい未来を歩き出したのだった。