風は静かにささやく。 ミロクは木の根元に座り、心の奥に潜む静謐を感じていた。 諸々の感情が波のように打ち寄せ、消えていくのを見つめる。

「気は変わる。流れる水のように。」とユーラは言った。 彼女の瞳は、深い湖のよう。 静かな声に、風が答える。
火と雷、風と水、光と大地。 妖術の力は世界のリズムの一部。 心が乱れるときはその調和から外れる。
ミロクは目を閉じ、思い出す。 優しい風のささやき。 暖かな水のぬくもり。 それらに満たされた記憶が、彼の中に光を灯す。

「感情は波のようなもの。いつか引いていく。」ユーラは穏やかに語る。 「怒りも悲しみも、やがて消えると知るだけで、心は軽くなる。」
彼は少し微笑む。 山の静寂の中に、自分の内側の嵐も静まる。 身を委ねれば、すべてが流れ去るのを感じる。
空には雷鳴が遠くに響く。 新たな力の前兆のように。 だが、恐れる必要はない。
「感情を手放すことは、風を感じることと似ている。自由になること。」ユーラは微笑む。 信じることは、すべてを癒す力。
そして、ミロクは気づく。 大地のリズム、その静けさこそ、自分の在り方。 心はいつでも、自分次第で変わる。
風と火と水と土の舞台に、希望の光が差し込む。 彼の胸は、静かに、満ちていく。
終わりではなく、新しい始まりが、静かに待っている。