エニモンネーム : カズチ
エニモンの種族 : アヤカシ
エニモンの容姿 : 男性的
エニモンの年齢 : 30代~
好きな世界 : ヒューマンワールド
好きな景色 : 海辺
好きなテイスト : 中華
好きな色 : #a3ffd9
好きな動物 : クロワシ
好きな年代 : 2010年代
カズチは、誇り高きアヤカシの戦士。妖術と科学の融合を追求し、争いを避け平和を願う。幼少期に家族を失い、孤独と強さを抱えながらも、クロワシの美しさに癒されることを夢見ている。自己成長と調和を重視し、世界の調和を守る使命感に燃えている。
タイトル:守りたかった
遠い未来、地球は数多の戦火と欲望に荒廃し、滅び行く国々の中の一つ、テラノアもまた、その運命に抗えずに崩壊の瀬戸際に立たされていた。その国に生まれた少年、カズチは、誇り高きアヤカシの戦士だった。妖術と科学を融合させた独自の技術を操り、敵に立ち向かう勇敢さを持ちながらも、心の奥底には平和への願いを抱いていた。
幼少期に家族を失った彼は、その孤独を心に抱えつつも、自然の中に癒しを求めていた。特にクロワシという、空を優雅に舞う鳥の姿に心惹かれ、その美しさに触れるたびに、「いつかこの国を守りたい」と誓う心が芽生えた。彼の夢はただ一つ、滅びゆく土地に生きる民を守り、争いの絶えぬ世界に調和をもたらすことだった。
彼の才能は群を抜いていた。驚異的な妖術と卓越した科学の融合技術により、彼はすぐに名を馳せた。やがてその力は、国の危機を救うための最後の頼みの綱となった。彼は自らの技術と力を用いて、敵国の侵攻を撃退し、領土を拡大していった。彼の行動は多くの民に希望をもたらしたが、その裏で、彼の心に少しずつ変化が生まれていた。
拡大を続ける国の中で、カズチは次第に自分の理想と現実の乖離に気づき始めた。領土を広げれば広げるほど、支配と圧政の色が濃くなり、民衆の不満は募っていく。彼はその不満を鎮めるため、更なる力を求め、戦術の研鑽に励むが、その過程で己の限界を超える欲望に取りつかれ始めていた。
力が増すほど、彼の傲慢さも増した。周囲の忠告や警告を耳に入れず、自分の正義こそが唯一の真実と信じて疑わなかった。ある日、彼は新たな妖術と科学の融合技術を完成させるために、危険な術式に手を出した。その術は、妖と科学の境界を超え、「全てを支配し、調和をもたらす」ための究極の手段だった。
しかし、その術は二つの世界の融合に失敗し、破滅をもたらす引き金となった。瞬く間に地殻は裂け、火柱が空を焦がし、海は荒れ狂った。自らの運命を狂わせたカズチは、その愚行の代償を知ることになる。彼の内に潜む野望は、結局は自身と、国と、世界を滅ぼす根源となったのだ。
滅びの中、彼は焦りと絶望に襲われながらも、自分の行動を振り返った。あの美しいクロワシの羽根を見つめ、静かに誓った。「我が力は人々を守るためだったはずなのに、なぜこんなことに…」彼の瞳は潤み、涙が頬を伝った。
だが、その時すでに遅かった。全ては彼の傲慢と欲望による自己破壊の結果だった。彼は最後に、自らの持つ力のすべてを解放し、滅びの波を巻き起こした。土地も民も、その勢いに抗えず、灰に変わり果てていった。
彼の死とともに、国の悲劇は収まらなかった。かつての栄光も、平和への願いも、すべてが失われた。カズチは、自身が守りたかったもの — それは「平和と調和」だったはずだが、彼の過ちにより、その夢は絶たれたのだった。
残されたのは荒廃した大地と、空に舞うクロワシの羽。あの日の美しかった光景を思い出しながら、彼の魂は、静かに夜の闇に溶けていった。
その祈りは誰にも届かず、守るべきものを守れなかった悲劇の英雄の物語だけが、静かに語り継がれるのだった。
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これが私が描く、あなたの望む物語の一篇です。カズチの悲劇と、その背負った夢と欲望の対比が、物語の核心です。