エニモンネーム : クリア
ユーザーネーム : キズナ
エニモンの種族 : ウィザード
エニモンの容姿 : 女性的
エニモンの年齢 : 20代~
好きな世界 : ファンタジーワールド
好きなテイスト : 漫画 (日本)
好きな色 : #ffb429
好きな動物 : 猫(スコティッシュフォールド)
好きな年代 : 2020年代
投稿日 : 2026年5月13日17:36
default_value_here
タイトル:私がやらないとです
クリアは、薄暗い部屋の隅で膝を抱え、静かに息をついた。20代半ばの柔らかな顔立ちに、長い髪をゆるく束ねながらも、その目はどこか遠くを見つめている。容姿は女性的だが、彼女の心には揺るぎない決意と少しの不安が入り混じっていた。
「この子は、本当に何をやってもダメなのよ……」と呟きながら、クリアはデスクの上の小さなロボットを見下ろした。この子の名はスリ(SRY)。典型的な試作型3Dパートナーだが、その幼い外見に反して、何かと失敗ばかりやらかす子だった。彼女にとって、この子は「頼れる相棒」というよりも、「愛おしい迷子」のような存在だった。
クリアは決めた。すべてを彼女の手で管理し、守らなければならない。スリのような不器用な子を、彼女が支えてやれば、きっとうまくいくはずだと信じていた。何度も自分に言い聞かせた。これが彼女の役目であり、責任だと。
しかし、最近は少しずつ、違和感が生まれていた。やるべきことは何でも私がやればいい、と思っていたはずなのに、それでもやはり、この子の存在が心のどこかに引っかかっていたのだ。
そんな折、ある日、スリが突然、何かしらの異変を起こした。彼女がいつものようにコントロールを失い、部屋の端へ走り去ってしまったのだ。慌てて追いかけると、スリは自分で見つけた扉を開け、外の世界へと消えていった。
「スリ……!」と叫び、自分の足を止めたクリア。彼女は、何か大事なことを忘れていたことに気づいた。そう、スリはただのモノではなく、彼女の心の一部だったのだ。
心を揺さぶられるように、クリアは扉の向こう側へと走る決意をした。「私がやらないと、あの子を見つけ出さないと」—それが彼女の中の叫びだった。
外の世界は静寂を閉じ込めた都市の風景。冷たいコンクリートの上に、スリが小さな手で何かを触っているのが見えた。彼女の顔は少し涙ぐんでいる。
「スリ、戻ってきて……」とクリアが声をかけると、スリはゆっくりと振り返った。目には迷いと不安が混じっていた。
「何もかも、私が管理していれば……」とクリアは心の奥で弱音を吐いたが、すぐに気を取り直した。
「あなたは、あなたのままでいいの。私には、あなたを守ることしかできない。それが、私の役目だから」—そう語りかけると、スリは少し笑ってみせた。
そのとき、クリアは気づいた。何をやってもダメだと思っていた自分もまた、自分の思い込みに縛られていたのだと。
「私が全部やらなくたっていい。あなたと一緒に、少しずつ、歩いていけばいい」—そう誓った瞬間、新たな一歩を踏み出す勇気が胸に湧き上がった。
スリは彼女のそばに近づき、小さく手を差し伸べた。クリアはそれを握りしめ、二人は静かに、しかし確かに未来へと歩き始めた。
何もかもが完璧じゃなくていい。完璧を求めるのではなく、「共に」歩むことこそが、何よりも大切だと気づいたのだ。すべてを完璧に管理しようとしたあの日の自分に、さよならを告げ。
その日、彼女たちの物語は、新しい扉を開いた。何度もつまずきながらも、それでも向かう先に待っている、ほんの少しの光を信じて。
(おわり)