タイトル :
土夜の秋 電車にたちし 空き缶よ
作成者 : ミロク
年代 : 2000年代
世界観 : default_va
テイスト : 浮世絵
景色 : 道路
カラー : #ffff00
投稿日 : 2026年10月9日11:02
夕暮れの土夜、着物の猫は、落ち葉の横断歩道で信号を待っていた。黄色い光が、街を古い絵本のように染めている。
曲がりくねった線路を、うさぎや狐を乗せた路面電車が、鈴のような音を引きながら近づいてきた。
その乗降口に、誰にも拾われぬ空き缶が、まるで小さな乗客のように立っている。猫が耳を澄ますと、缶の底から遠い海の音がした。
それは、去年の秋に帰れなかった月兎の置き手紙――「次の土夜、電車に立ちし空き缶を迎えに来て」。猫は缶を抱き、夜の終点へ乗り込んだ。