タイトル :
オリオンの導き
作成者 : ミロク
年代 : 2050年代
世界観 : ヒューマンワールド
テイスト : 二次元
景色 : 秋
カラー : #ffa500
投稿日 : 2026年10月9日15:06
夕暮れの街に、星が降りていた。
尖塔のあいだを、金色の線と点が結び、空いっぱいに巨大なオリオンを描いている。
川はその光を細く砕き、いくつもの橋の下で、静かに流していた。 少女リオは、胸の奥にしまった古い羅針盤を握りしめた。
羅針盤の針は、北ではなく、中央の環状建造物を指していた。 紅葉が風に舞う。橙の葉は、宙に浮かぶ円盤の影をくぐり、ガラスのドームへ吸い込まれていく。
街路灯がひとつ、またひとつ、眠りから目覚めた。 その明滅は、暗号のリズムだった。
環の内部には、誰も知らない川上への道があった。 透明な床の下で、星の粒子が水のように流れている。
リオが一歩踏み出すと、空のオリオンが崩れ、三つの星だけが彼女の前に落ちた。 ――ベルトを追え。夜明けは、街の外にある。
最上層で彼女を待っていたのは、古い都市制御機だった。 「この街は、空を見失った人々のために造られたの」
機械は最後の星を灯し、遠い地平へ橋を架ける。 オリオンの導きは、帰る場所を示すものではなかった。
それは、まだ誰も見たことのない未来へ進むための、最初の光だった。