エニモンネーム : マガタ
ユーザーネーム : ミロク
エニモンの種族 : アヤカシ
エニモンの容姿 : 男性的
エニモンの年齢 : 20代~
好きな世界 : アヤカシワールド
好きなテイスト : 和風
好きな色 : #ffe23a
好きな動物 : ネコ
好きな年代 : default_value_here
投稿日 : 2026年9月17日17:30
幼い頃、雷術師の家で育ったマガタは、力を誇示するより誰かを守ることを尊ぶ。妖術で傷ついた野良ネコを救えなかった悔しさから旅に出て、今はネコの集う安全な街を築く夢を抱く。無口だが、弱き者には不器用なほど優しい。
救えなかった悔しさ
【一】
海辺の街、ルナ・ミャオには、猫の足音が満ちていた。 白と黒の衣をまとい、金髪を潮風になびかせる青年――マガタ。 首のネックレスが揺れるたび、彼は小さな傷にも雷の灯りを落とした。 ここは、行き場を失った猫たちのために、彼が築いた安全な街だった。
【二】
けれど、空が突然、紫に裂けた。 雲の向こうから、黒い王城を乗せた巨大な船が降りてくる。 甲板に立つのは、絶対の王だった。 その杖から放たれた雷は、海を二つに割った。
「この街も、猫も、すべて我が秩序に従え」
【三】
王は、力こそ正しさだと信じていた。 逆らう者には罰を、従う者には金貨を。 失敗の報告をした兵士からは、勲章も家も奪った。 耳ざわりのよい勝利だけが、王のもとへ運ばれていった。
【四】
絶対の王の軍勢が街へ降りる。 屋根が崩れ、猫たちが細い声で鳴いた。 マガタは両手を広げ、青白い雷の壁を築く。 だが、王の杖はそれを一撃で砕いた。
「守るだけの力など、王の前では無意味だ」
【五】
マガタは吹き飛ばされ、砂浜に倒れた。 遠い昔、同じ砂の上で、傷ついた野良猫を抱いていたマガタ。 妖術に焼かれた小さな命は、彼の腕の中で冷たくなった。 救えなかった悔しさが、今も胸の奥で消えない。
【六】
そのとき、一匹の三毛猫が瓦礫の間から姿を現した。 彼が昔救えなかった猫と、よく似ていた。 三毛猫は王を恐れながらも、マガタの指に額を押しつける。 続いて、街じゅうの猫たちが、静かに集まった。
【七】
猫たちは王の兵の足元を走り、杖に絡みつき、合図の鐘を鳴らした。 街の人々は、倒れた防壁を使って避難路をつくる。 漁師は海水を引き、子どもたちは猫の鈴を鳴らした。 ばらばらだった音が、ひとつの大きな鼓動になった。
【八】
マガタは立ち上がった。 雷を王へ向けず、街の屋根と屋根のあいだへ流す。 仲間たちが張った銀の糸を伝い、雷は網となって王城を包んだ。 力を奪うのではなく、暴れる力の行き先を変えたのだ。
「あなたは、最初から間違っていた」
【九】

「力は、誰かを黙らせるための王冠ではない」 マガタの声に、王は初めて耳をふさいだ。 だが、現実はその無知を許さなかった。 崩れた城、怯える兵、逃げずに立ちあがる人々。勝利の報告は、もうどこにもなかった。
【十】
王の杖が折れ、黒い船は海へ沈んだ。 王が膝をつく。でも、誰も彼をすぐには許さなかった。 マガタもまた、救えなかった過去を消せなかった。 それでも三毛猫は、彼の腕の中で小さく喉を鳴らした。
夜明け、ルナ・ミャオには新しい鐘が吊るされた。 それは勝利の鐘ではなく、誰かを見捨てないための鐘だった。 マガタは海を見つめ、まだ見ぬ猫たちのために歩き出す。 潮風の向こうで、かすかな鈴の音が続いていく。