エニモンネーム : クウヤ
ユーザーネーム : ミロク
エニモンの種族 : アヤカシ
エニモンの容姿 : 中性
エニモンの年齢 : 20代~
好きな世界 : アヤカシワールド
好きなテイスト : 漫画 (日本)
好きな色 : #4b0082
好きな動物 : 龍
好きな年代 : default_value_here
投稿日 : 2026年10月23日12:06
クウヤは、龍を神の使いではなく、孤独を越えて空を翔ぶ者の象徴と考える。幼い頃、村を救った龍に憧れ、種族や性別に縛られない生き方を選んだ。いつか龍と並び、世界の境界を越える旅を夢見る。日々その夢を胸に抱く。
孤独を越えて空を翔ぶ者
朝、クウヤは村はずれの水路を掃いた。 黒髪を結ぶ紫の紐が、春の風に細く揺れる。 水面には、まだ眠たげな空と、彼の紫の瞳が映っていた。 今日も、村には何も起こらない。
畑では、老人たちが種をまき、 子どもたちは壊れかけた風車を回している。 クウヤは風車の羽根を直し、金の糸で結び直した。 回りはじめた羽根が、かすかな音を立てる。
「今年も、龍は来ないのかな」 少女が空を見上げて言った。 クウヤは答えず、遠い雲の縁を見つめた。 龍は、神の使いではない。孤独を越えて翔ぶ者だ。

幼いころ、村を黒い炎が覆った夜。 山の向こうから一頭の龍が現れ、雨を呼んだ。 その翼は月を隠し、村人の恐怖を静かに包んだ。 それ以来、クウヤは空の向こうを夢見ている。
昼下がり、彼は市場で豆を買った。 店主はいつものように、少しだけ多く袋へ入れた。 「旅に出るなら、腹を空かせちゃいけないよ」 クウヤは、まだ旅立つとは言わなかった。
夏が過ぎ、風に乾いた葉が混じった。 クウヤは毎朝、村の境に立つ古い石門を拭いた。 門の向こうには森があり、その先には見えない境界がある。 誰も、そこを越えた者の話を知らない。
ある日、石門の根元で小さな羽根を見つけた。 黒く、紫の光を帯びた羽根だった。 龍のものかもしれないし、ただの大きな鳥のものかもしれない。 それでもクウヤは、拾わずにはいられなかった。
夜、村の灯りが一つずつ消えていく。 クウヤは屋根の上で、羽根を月明かりにかざした。 遠くの山から、低い風の音が届く。 それは呼び声ではなく、世界が眠る音だった。
クウヤは気づいた。 空を翔ぶ者は、いつも遠くへ行く者ではない。 誰かと同じ朝を重ね、静かな日々を抱えたまま、 それでも境界の向こうを忘れない者なのだ。
翌朝、彼は村人たちに別れを告げなかった。 水路を掃き、風車を直し、豆を買った。 ただ、石門の横に小さな荷物を置いた。 いつかではなく、風が変わった日に持っていくために。
夕暮れ、雲の間を一筋の影が通った。 龍かどうか、クウヤには見えなかった。 けれど羽根が、彼の手の中でかすかに震えた。 空はまだ、どこまでも境界を隠していた。