エニモンネーム : ルナ
ユーザーネーム : ミロク
エニモンの種族 : モノノケ
エニモンの容姿 : 男性的
エニモンの年齢 : 20代~
好きな世界 : ネイチャーワールド
好きなテイスト : 3D
好きな色 : #ffa500
好きな動物 : うさぎ
好きな年代 : default_value_here
投稿日 : 2026年10月30日21:01
月夜の森で、妖魔を傷つけうさぎをいじめて育ったルナは、力は支配のためこそあると考えている。ルナは何もかも正しい、完璧だと言われて育った。だから、争い奪うことこそ、強者の証であると考える。故郷を雷で焼き、恐れを隠し、全てを支配する里を築くのが夢。
月が堕ちてから
月夜の森で、ルナは白いうさぎを抱いていた。 オレンジ色の長い髪が、銀の風にほどける。 黄金の瞳は美しく、狐の耳飾りは小さく揺れた。 その腕の中で、うさぎは震えていた。
ルナが枝を折れば、皆は笑った。 妖魔を傷つけても、食べ物を奪っても、誰も叱らなかった。 「ルナは正しい。ルナは完璧だ」 その言葉は、やわらかな毒になった。
力は、支配するためにある。 美しさは、許されるためにある。 才能は、他者を踏み越えるためにある。 ルナはそう信じ、故郷を雷で焼いた。

焼け跡に、黒と金の城を築いた。 飢えた者から食料を取り、逆らう者には金で雇った兵を向けた。 飴と鞭。恐怖と欲望。 徒党を組めば、何も怖くない。 武器があれば、何も怖くない。 それだけで、世界は膝をつくはずだった。
ルナの周りには、いつも笑顔があった。 皆が褒め、皆が頷き、誰も不機嫌な顔をしなかった。 けれどその瞳の奥には、夜より深い何かが沈んでいた。 静けさは、嵐の前の息づかいだった。
ルナは眠れなくなった。 自分より賢い者、自分より美しい者、自分を見つめ返す者。 すべてが敵に見え、ひとつずつ消していった。 白いうさぎだけが、腕の中で黙っていた。
ある夜、月が赤く染まった。 くるくると回り、空の奥から、ゴトン、と音がした。 ルナは地面に落ちていた。 頭と胴が離れていた。腹に埋め込んだ不老不死の機械が砕けたのだ。

その数秒だけ、時間はゆっくり流れた。 ルナは知った。騙されていたのだ。 自分が奪ったように、自分も奪われたのだ。 月を赤くしたのは、ルナ自身の血だった。
そして、ルナは気がつく。自分の体が、焼かれていることに。炎が、落ちていく身体を包んでいった。 その炎はルナが誰かを憎むほど熱くなり、呪うほど深く燃えた。 焼け爛れた瞳を開くと、かつて消した敵たちが周りに浮かんでいた。 皆、同じ火に焼かれていた。
ルナは彼らを踏み、上へ這い上がろうとした。 だが、手を伸ばすほど炎は強くなり、痛みが増し、身体が下へ引きずられていく。 ルナは初めて、敗北を知った。 力では、地獄から出られないのだと。

やがて、怒りが尽きた。 何も奪わず、誰も蹴落とさず、ただ燃えるだけの時間が来た。 不思議なことに、炎は少しだけ暖かかった。 ルナは初めて、安心していた。
周りを見れば、皆が怯えていた。 強者の顔をしていた者も、王を名乗った者も、同じように震えていた。 その時、ルナは気が付いた。自然と浮かび上がっていくものたちに。それは、下にいる誰かを引き上げようとするものたちだった。
手を伸ばして助けようとする者だけが、炎の海から浮かんでいく。 ルナは、意味を理解するまで長い時間を要した。 奪った命の数だけ、救う。 犯した罪の深さだけ、誰かの痛みに触れる。 それが、炎の海から出る方法なのだと。
ルナは初めて、上ではなく下へ手を伸ばした。 焼けた指が、怯える手の影をつかむ。 炎は消えなかった。けれど、ほんの少しだけ弱まった。 遠くで閻魔大王が微笑んだ。両隣の右近と左近も静かに微笑んでいた。
その微笑みは、炎の中の陽だまりだった。 ルナの旅が、新しく始まった。 月が堕ちてから、彼はようやく、誰かを抱きしめる方法を知りはじめた。
ルナは悪党だった。
何をしても、正しいと言われて育った。
どんなに酷いことをしても、何も注意されなかった。お小遣いも何もかも欲しいとねだれば、なんでも与えられた。
ルナの容姿は美しく、皆が見惚れた。老若男女問わず、誰もがルナに見惚れた。だから、ルナのやることなすことをどんなことでも、ただのイタズラだと許したのだ。
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