エニモンネーム : エニシ
ユーザーネーム : ケイ
エニモンの種族 : フェアリー
エニモンの容姿 : 男性
エニモンの年齢 : 30代~
好きな世界 : ヒューマンワールド
好きなテイスト : アメコミ
好きな色 : #ffa500
好きな動物 : ライオン
好きな年代 : default_value_here
投稿日 : 2026年10月6日12:41
エニシは科学文明と魔獣が共存するヒューマンワールドで、ライオン型魔獣と暮らすフェアリー。強さとは支配でなく守る覚悟だと信じ、種族を越えた共演舞台を創る夢を追う。今も子獅子に救われた記憶が、彼の信条だ。
正しい報告
エニシは、科学文明と魔獣が共に暮らす国の王だった。 オレンジの短髪、金色の瞳。胸には、子獅子から贈られたペンダント。 城の窓から見える海は、いつも彼の勝利を映していた。
帝国では、王に誓えば、食料も名誉も何もかも与えられた。 逆らう者には兵が向かい、疑う者には沈黙が与えられた。 エニシは、それを「秩序」と呼んだ。
幼いころ、彼は子獅子に救われたことがある。 崩れた研究塔の下で震えていた彼を、子獅子が瓦礫の隙間から引きずり出したのだ。 けれど、大人になったエニシは、その記憶さえ「弱者の美談」と笑うようになった。
「強い者が決めれば、誰も迷わずにすむ」 彼がそう言うたび、臣下は頭を下げた。 誰かの胸に、小さなひびが入っていることも知らずに。
ある日、エニシは隣国への戦争を命じた。 帝国の向こうには、世界とつながる小さな国があった。 報告書には、青い印が押されていた。
――敵は弱い。三日で落ちる。必ず勝利する。
その言葉を疑う者はいなかった。 疑えば、失敗した者になる。失敗した者には、死が待っていた。 だから兵士も将軍も、見えない傷を隠し、勝利を報告した。
戦隊が出た朝、エニシは魔法で空に黄金の旗を描いた。 城下の人々は歓声を上げた。 彼は笑い、子どもたちに手を振った。
けれど、帝国の向こうでは、風が変わっていた。 敵国は世界とつながり、たくさんの仲間を呼んでいたのだ。 それを知っていた観測士は、一枚の紙を差し出した。
「陛下、危険です。今ならまだ――」
エニシは紙を見ずに、指先の炎で焼いた。 「恐怖を報告する者が、帝国を弱くする」
戦隊は消えた。 戻ったのはごく一部。帆は裂け、魔導機関は砕け、誰も口を開けなかった。 それでも書記官は震える手で、こう記した。
――作戦は順調。目標に進行中。
その報告を見た瞬間、エニシは笑った。 笑って、勝利の鐘を鳴らした。 その音は、帝国中に広がり、やがて誰も鐘を止められなくなった。
夜明け前、城の地下から大きな音がした。 爆発ではない。魔導炉が、悲鳴のように震えていた。 壁を走る管から、熱い蒸気と鉄の匂いが噴き出した。
続いて、遠くで何かが崩れた。 港の方角だった。 窓を開けると、黒い煙が海を覆い、焦げた風が頬を打った。
そして、獣の咆哮が聞こえた。 かつて自分を救った子獅子――今は巨大なライオン型魔獣となった彼の声だった。 魔獣たちは、破壊された港から逃げていた。
「正しい報告を持ってまいりました」
誰かが背後で言った。 けれど、その声より先に、現実が語っていた。 鳴き声、炎の熱、潮の匂い、そして瓦礫の下から聞こえる泣き声。
エニシは初めて、報告書を必要としなかった。 戦争に負けたのではない。 勝てるはずだと信じた時から、すでに多くのものを失っていた。
兵たちは王冠を奪い、彼を広場へ連れ出した。 民衆の怒号が降り、金色の旗は泥に沈んだ。 誰も彼を守らなかった。
ただ、大きなライオンだけが、群衆の向こうから歩いてきた。 爪を立てれば、誰も止められない。 それでも彼は、エニシの前で足を止めた。
エニシは膝をつき、初めて頭を下げた。 「……すまない。私は、大切なことを忘れていた」
ライオンは答えなかった。 ただ、濡れた鼻先を彼のペンダントにそっと押し当てた。
王冠は失われた。帝国も、もう戻らない。 それでもエニシは立ち上がった。
背中には、冷たい朝の風。 足元には、壊れた国の土。
遠くで誰かがつまずき、泣いた。 エニシはその声へ歩き出す。
転んだら、立ちなはれ。 今度は、ひとりで立つためではなく。 風が、吹いた。
エニシはある国の王だった。
強大な帝国であり、力による支配ですべてを押さえつける国の王だった。
それは、内外を問わなかった。反対する者は、すべて力で抑えつけようとした。
そこには、対話・・・・・・・・・・・➡