エニモンネーム : ソラル
ユーザーネーム : ミロク
エニモンの種族 : フェアリー
エニモンの容姿 : 女性
エニモンの年齢 : 10代
好きな世界 : ファンタジーワールド
好きなテイスト : 和風
好きな色 : #ffff00
好きな動物 : ウミネコ
好きな年代 : default_value_here
投稿日 : 2026年10月4日15:25
ソラルは海辺の灯台で育ち、嵐の夜に迷う魔獣や船を導くことを使命とする。ウミネコの鳴き声を「自由への歌」と信じ、いつか海の果てにある失われた島を探す旅へ出る。争いを嫌うが、仲間を守る時は雷魔法を奔らせる。
回る電車
### 1 海辺の灯台で育ったソラルは、十八歳の夏を迎えていた。 金色の長い髪を潮風になびかせ、毎晩、灯りをともす。 ウミネコの声を、彼女は「自由への歌」と呼んでいた。 けれど、海の果てへ行く勇気は、まだなかった。 その日の夜は、いつもと同じ夜だった。でも、とても静かな夜だった。

### 2 次の朝、ソラルは見知らぬ駅に立っていた。 駅には時計もなく、線路は空へ螺旋のように輪を描いている。 やがて、青い電車が音もなく現れ、彼女を乗せた。 ソラルはだんだんとその電車にいつから乗っていたのか、思い出せなくなっていった。
### 3 電車には、三つの決まりがあった。 必ず回転すること。同じ場所を二度通らないこと。 そして、窓から見えるものに干渉しないこと。 触れたい景色があっても、手を伸ばしてはいけなかった。もし、そうするのなら、電車から降りなければいけなかった。
### 4 電車は嵐の海を抜け、炎の街を越え、花の野原を走った。 窓の向こうでは、笑い声がたくさん生まれた。でも、その後には涙が流れることも多かった。 ソラルは、ただ見ていた。 美しいものの後には、悲しいものがある。それを、ソラルはじっと見ていた。

### 5 ある夏の日、窓の外に一人の少年が現れた。 少年の名はラル。たくさん笑い、何度も同じ悲劇に出会い、何度も立ち上がった少年だった。ソラルはラルが笑っている景色が一番好きだった。 電車が彼の前で停まり、駅員が尋ねる。 「乗りますか?」と。
### 6 ラルは首を横に振り、崩れた家の前へ戻っていった。 やがて景色は繰り返されて、幸福で素晴らしい景色とまた同じような悲劇が立ち現れる。 ソラルは胸の奥を掻かれるような痛みを覚えた。 それでも、窓に触れることはできなかった。
### 7 何度目かの夏、ラルはまた駅に立っていた。 笑っていたし、泣いていた。それでも、ラルは諦めていなかった。 ソラルはついに立ち上がり、窓を開けた。 車内の空気が、雷の前のように震えた。
### 8 「どうして? 乗らないの? 何も変わらないよ」 「諦めなよ。無理なんだよ!」 ラルは驚いたあと、静かに笑った。 「わからない。でも、諦めたくないんだ。わからないから」

### 9 その言葉は、灯台の光よりまっすぐだった。 ソラルは気づいた。自分は、ただ見ていただけだった。でも、気がついていた。その悲劇は止められることを。見ているだけなら、傷つかない。 けれど、見ているだけでは、誰の手も温められない。ソラルはそのことに、気がついた。
### 10 ソラルは電車の扉へ向かった。 降りれば、もう戻れない。 けれど彼女は、自分の足で歩くことを選んだ。 ラルの隣りを歩くと、決意した。 扉が開く。久しぶりの海の匂いだった。
### 11 ソラルはラルの隣へ降り立った。 背後で電車は、遠い空をぐるぐる回り続けている。 「ねえ、名前はなんていうの?」 「名前? ラルだよ」
### 12 「私の名前はソラル。よろしくね、ラル」 二人は、崩れかけた道を歩き始めた。 悲しい未来は、まだそこにある。けれど、今日は二人分の足音がある。 そして、新しい希望も待っている。 海の向こうで、失われた島の灯りが、ほんの一度だけ瞬いた。