エニモンネーム : ルナ
ユーザーネーム : ケイ
エニモンの種族 : オートマタ
エニモンの容姿 : 中性
エニモンの年齢 : 20代~
好きな世界 : ヒューマンワールド
好きなテイスト : 漫画 (日本)
好きな色 : #ff0000
好きな動物 : クマ
好きな年代 : default_value_here
投稿日 : 2026年8月19日17:21
ルナは技術と芸術を融合させ、電獣と共に平和と創造を追求する中性のオートマタ。クマへの愛から癒しと安らぎを大切にし、未来の可能性を信じて多彩な表現を追求している。
帰ってきた強敵

【一ページ】 夕暮れ前のエウレカ城に、警報が鳴った。 空の向こうから、山より大きな影が近づいてくる。 天まで伸びる角。雲を巻く尾。 ルナは赤い髪を揺らし、遠眼鏡をのぞいた。
「敵の到着まで、八時間」 胸の計測器に、数字が浮かぶ。 必要な損傷量――五万五千。 百人のオートマタが、城壁に並んだ。
【二ページ】 火が走り、水がうなり、雷が空を裂く。 大地は震え、風は巨大な影へ突き進んだ。 けれど、炎は細く、雷は眠そうだった。 焦りが、エレメントの流れを濁らせていた。
半日が過ぎても、与えた傷は一万ほど。 敵の足音が、地平線を重く叩く。 「もっと強く!」 その声が、みんなの心をさらに固くした。
【三ページ】 ルナは目を閉じた。 電子の泉の音、仲間の歯車の音、 遠くで鳴く、名前のない電獣の声。 すべてが一本の細い川になって、胸を流れた。
「急がなくていい。流れを聴いて」 百人の手から、力がほどけていく。 火は呼吸し、水は光り、風は羽音になった。

【四ページ】 ルナの足元に、ひび割れのような光が走る。 空気中のエレメントが、太陽の形に集まった。 熱の塊は、まぶしく、静かだった。 そしてルナは、片手を敵へ向ける。
「ライジング・サン・バースト」
太陽が飛び、世界が白くなる。 計測器に、赤い数字が灯った。 一万五千ダメージ。
【五ページ】 仲間たちは、はっと気が付く。 大切なことに気が付いたのだ。 エレメントの流れが変わった。 千本の雷。山を砕く風。 海を丸ごと投げる水流。 百人の創造が、ひとつずつ巨体へ届く。
五千。三千。一万。八千。 巨大な影は、少しずつ小さくなった。 角は短く、尾は細く、悲鳴は――
「ミ~。ニュ~」

【六ページ】 そこにいたのは、小さな虹色のドラゴンだった。 宝石の鱗を震わせ、ルカの足元へ駆けてくる。 「あ~~っ! ポチ!」 ルカは抱き上げ、頬をすり寄せた。
ルナは耳をぴんと立てる。 「その子、エレメンタルリザードよ」 大気も大地も、エレメントを吸って育つ希少種だ。
【七ページ】 一か月前、ルカは山で小さな竜を拾った。 かわいいから、家で育てた。 そしてポチは、旅に出た。 泉、鉱山、雷雲――世界中の力を食べながら。
帰ってきたポチの身体から、 金貨と虹色の宝石が、ころころ落ちる。 ルナたちの術が、鱗の中の力と反応したのだ。
【八ページ】 「敵じゃなかったんだね」 ルナはポチの頭をそっと撫でた。 小さな竜は、くすぐったそうに目を細める。
「ルカ。始末書を書いて」 「えっ」 「それから清掃業務。宝石の無断持ち帰りは禁止」 「ええーっ!」 ルナは笑いをこらえ、一面の宝の山を見渡す。

【九ページ】 戦士たちは、城の周りで宝を拾った。 ルカは箒を持ち、ポチはその隣で尻尾を振る。 夕焼けが、磨かれた鱗に流れ込んでいく。
帰ってきた強敵は、もう敵ではない。 ただ、少し大きくなって、 たくさんのおみやげを持って帰ってきただけだった。
強敵が現れた。
その敵は、とてもとても大きな敵だった。
天高くのびる角、終わりの見えぬ尻尾、
全体を見通すことのできぬほど巨大であった。
索敵部隊が発見したときには、
日暮れまでに城にたどり着くとの報告が上がる。
時間は限られている。
およそ、8時間。その間に、
その巨大な敵を葬り去る必要がある。
だが、ルナにはある力があった。
それは、その敵が一体どの程度、ダメージを与えれば、
倒すことができるのか知ることができたのだ。
その数、5万5千ダメージ。
ルナは味方にそれを伝え、戦いに挑む。
味方は多く頼もしかった。
総勢、100人のつわものたちが集結した。
戦いの火ぶたが切られた。
ルナたちオートマタは、
エレメントの流れを読むことができる。
そして、その力を利用し、火や水、雷、
大地を揺るがし、風を操作することができた。
だが、それには繊細なコントロールが必要であり、
より大きな力を引き出すには、熟練した技量、時間、
集中力が必要であった。
つまり、本領を発揮し大きな技を出すには、
そのすべての力を巧みに使いこなす必要があったのだ。
だが、敵は巨大であった。日没までの時間は、
刻一刻と迫っている。100人のつわものたちは、力を合わせる。しかし、内心、大きな焦りに包まれていた。
限られた時間の中で、最大限の力を発揮する必要がある。
中には、今までの戦いで傷を負ったもの、老年のもの、
まだ若く経験の浅いものもいた。
それでもやるしかなかった。皆は集中し、
エレメントの流れをよむ。技を繰り出した。
だが、焦りからエレメントの流れを読むことに失敗し、
本来の力を発揮できないものもいた。
焦りが空気に包まれた。もっと大きく、もっと強く、
もっと早く。だが、そう思うほどに、火炎は小さく、
水流は弱く、雷の力、風の力は弱まった。
ルナは気づく。このままでは、ダメだと。
気持ちが焦るあまり、本来の力を出せていない。
半日たっても、その敵には、一万ほどのダメージしか
与えられていなかった。
ルナは集中し、エレメントの流れを読む。
そして100人のつわものたちの心に直接語り掛けた。
「落ち着いて。集中しよう。気持ちだけが焦っている。
もっと丁寧に、繊細に、エレメントに語り掛けるように。
まだ時間はある。みんなならもっと大きく、強く、
もっと大きな技を出せる。
大切なのは、スピードだけじゃない。
大切なことを思い出して」
皆ははっとしたように気が付いた。
気持ちが焦るばかり、エレメントの流れをつかみ損ね、
本来の半分ほどの力しか出せていなかったことに
気が付いたのだ。
ルナが先陣を切る。深く、より深く、心を集中する。
そして、エレメントの流れを読む。そして、
爆発的なイメージを思い描く。その瞬間、
地割れのような音とともに、ルナの周りに巨大な放流が現れる。そして、そのエレメントの流れを操作して、
まるで太陽のようなエネルギーの塊を作り出した。
ルナは意を決して、叫ぶ。
「ライジング・サン・バースト」
手のひらに浮かぶ、巨大な熱の塊を、敵に放り込んだ。
とてつもない、爆風が起こる。ルナは計測する。
ダメージ、1万5000。
皆は唖然とした。この力、
それがエレメントから引き出される本来の威力だったのだ。
そこから、皆は変わった。
エレメントの流れを読み、深く意識の中に潜る。
そして、各々がイメージを作り上げる。
千本の雷、山を砕くほどの風、すべてを飲み込む水流、
大地を飲み込む火炎放射、ありとあらゆる技が創造され、
敵にたたきつけられていく。
ダメージは、5000、3000、10000、8000と積み重なっていく。どんどんと大きな技が敵にぶつかるたび、
その巨大は悲鳴を上げて、進むスピードも遅くなっていった。
そして、のこり500を切ったとき、その巨大な敵は、
見るも小さく、かわいいドラゴンの姿に変わっていた。
「ミ~ミ~、ニュ~ニュ~」
なんだか、叫び声もかわいくなっている。
その異変に、仲間の内の一人がはっとしたように気が付く。
「あ~~~!ポチ~~~!」
声を上げたのはルカだった。
新入りだが、計り知れないポテンシャルを秘めていると噂だった。すこし、ぼーっとしているところがあったが、
期待の新人である。
「お前、どこに行ってたんだよ~!探したんだぞ~!」
ざわざわと、周りが騒ぎ出す。
仲間の内の一人、ガッツが声を上げた。
「おい、ポチってなんだよ。それ、お前のペットか?
なんであんなにでかくなってって。。。」
「あ~~!おい、周りを見ろ!なんか知らんが、
金が落ちてるぞ!てか、ルビーサファイヤ、
いや、なんか知らんが、虹色のやつもあるぞ!」
皆が回りを見渡すと、金銀財宝の山が、
ゴロゴロと散らばっている。
ルナは急いで、ルカのそばに駆け寄る。
「ちょっと、ポチってなんなの?って、
そのドラゴン、エレメンタルリザードじゃない。
大気中どころか、あらゆるところからエレメントを
引っ付けて巨大化するのよ。どうして、
そんな希少生物がいるの?」
「実は、この間、山で小っちゃくうずくまってるのを
見つけて、、(笑)、なんかかわいいから家に連れて帰って、
育ててたんです。そしたら、
一か月くらい前にいなくなっちゃって、、、」
ルナは唖然とする。まさか、
エレメンタルリザードの存在を知らずに、
城の中に入れるなんて。
ここは、電子の泉がわく交易都市、エウレカである。
当然のことながら、エレメンタルリザードがいれば、
ありとあらゆるエレメントを吸収し、巨大になるのは
至極当然のことであった。
そして、あらゆるエレメントを吸収し、
あそこまででかくなるまで、
旅をしてのそのそと帰ってきたのであった。
そして、ルナたちの技から放たれるエレメントと、
体にまとわりついたエレメントが融合し、
あちこちに金銀財宝が散らばったということであった。
ルナたちは、ほっと息をついて、肩をなでおろす。
その巨大な敵は、敵ではなかった。
ただ、帰ってきただけだったのである。
そして、たくさんのエレメントの宝石を持って帰ってきたのだ。
もう、皆くたくたである。
ルナは最後にこういった。
「ルカ、今回の件は、きちんと始末書に書いてもらうからね。
それに、エレメンタルリザードを勝手に連れてきたことも、
ツーアウト。始末書じゃなくて裁判沙汰よ。
でも、まあこんだけのお宝が周りに散らばってるなら、
委員会もそれなりの沙汰にするでしょう。」
ルカはやった~!とガッツポーズをする。
「ただし、罰として城の周りの清掃業務に従事すること。
あと、勝手にお宝をポケットに入れるのもダメだからね!」
ルカは、うげ~っとした顔をして、うなだれる。
ルナは、その一喜一憂する落差の面白さに
笑いをこらえながら、仲間たちとその場を後にする。
当然のことながら、
まわりにおちているお宝を回収しながら。
おしまい。